高橋将貴 個展「Greco-Roman」

高橋将貴は大学で彫刻を学んだあとから具象絵画と具象彫刻を製作、発表し続けている作家です。高橋の作品の特徴はまずモチーフの大半が西洋に関わる人や物という事です。
それは子供の頃にテレビで見た洋画劇場に興奮した経験や図工、美術の教科書や画集で見た西洋美術が輝いて見えたという原体験が影響していると彼は言います。
背広の白人中年男性と中世ヨーロッパの甲冑を描いた「スーツとヘルム」(2003)、欧米のスポーツ選手、そのユニフォームやエンブレムを扱った「スポーツ」(2007)、中世の紋章から現代ミリタリーの意匠まで戦争に関するモチーフを取り上げた「Arms」(2012)など他にも多数ありますが、そのモチーフの選び方とどこかとぼけているような素朴なタッチは作家活動を始めてから一貫しています。象徴的なイメージをモチーフにする事が多いため、ステレオタイプを題材に国家や国民性を揶揄していると想起されやすいのですが、彼自身は全くそういう思惑や感覚はなく、むしろその逆でただ純粋に好きなものを自分のフィルターを通してさらに好きになっているのです。
そして今回のスタジオ35分での展示にあたって、彼が選んだモチーフはその最たる国「ギリシャ」と「ローマ」です。直球です。見た事あるようで見た事ない「高橋将貴の世界」を味わいに是非いらしてください。

高橋将貴「グレコローマン」
2016年9月21日(水)~10月8日(土)
18:00~23:00 定休日:日・月・火