グループ写真展「世界は僕らのものだ」展

この度スタジオ35分は、塩田正幸氏、谷口正典氏、頭山ゆう紀氏、深瀬昌久氏、湯浅学氏、酒航太氏とともに、グループ写真展「世界は僕らのものだ」展を開催する運びとなりました。
猫という動物ほど、人間に身近であり、それでいて、人と人でないものとの「境界線」を意識させる動物はいないのではないでしょうか。今回のグループ展では、この「猫」を被写体とし、「かわいい猫」を超えた境界線を写し出すことで、いかにそれを芸術写真として成立させるかを定義できればと考えています。
また、会場となるスタジオ35分は18時~23時に営業する夜のギャラリーです。夜行性の特性を持つ猫をテーマにすることは、昼間の猫にはない境界を超えた別の猫の一面を表現できることと考えています。

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ゴーーグルグルギュルギュル
腹に顔を埋めると、轟音が頭に鳴り響き闇の中の不定形の音の波は突如宇宙と繋がる。
ここはどこだろうと暗闇を見渡すが、次第に目の前の空間が我と交わり境界が薄れていく…
その瞬間パッと闇が消え、寝ていた猫は起き上がり大きな伸びをした。
ああそうだ、こいつは猫だった。ふと我に返る。
獲物を見つけた猫はまさか自分が宇宙との媒介猫になっていたとはつゆ知らず、そそくさと走り去る。
宇宙を腹に秘め、その視線はいったいどこに向かっているのだろうか。
6人の作家が我と猫の境界、さらには猫とその視線の先を探る。
猫はニヤリと顔を洗う。「世界は僕らのものだ」
是非ご高覧ください。
頭山ゆう紀 / 世界は僕らのものだ実行委員長

 

『世界は僕らのものだ』
2015.11/11(水)-12/5(土)

18:00-23:00 水~土曜日のみ営業

ギャラリー スタジオ35分
https://35fn.com
https://www.facebook.com/bar35min
東京都中野区上高田 5丁目47−8

イベント
11/11(水)19:00~ オープニングパーティー
11/21(土)18:00~
湯浅学 一人歌と猫の音楽とおしゃべり。
弾き語りと猫の音楽などについておしゃべりをする夕べです。※要予約

11/27(金)18:00~頭山カレー
その他イベント予定あり

※A2判 2016世界は僕らのものだカレンダー(初回マグカップ付き) 販売予定!

〈出展作家〉
塩田正幸 Masayuki Shioda
ファースト写真集『NPEAKER』(artbeat publishers、2002年)に続き、『LIFE HUNTER』(FLASH BOOKS、2005年)、『ANIMAL SPORTS PUZZLE』(TOKYO CULTUART by BEAMS、2009年)などを出版。個展をはじめとする作家活動のほか、CDや絵本、雑誌などのコマーシャルな活動など多岐にわたり活躍。

谷口正典 Masanori Taniguchi
1979年静岡県生まれ。1999年東京ビジュアルアーツ卒業、在学中には「月光のブルース」でキャノン写真新世紀優秀賞を受賞。東京を中心にギャラリー、ライブハウス等での個展、グループ展を多数開催。ミュージシャン、スケートボーダーなど路上での被写体を独自の視点で写し撮る。

頭山ゆう紀 Yuhki Touyama
1983年千葉県生まれ。2004年東京ビジュアルアーツ卒業。2006年第26回写真ひとつぼ展に出展。2012年レーベル「piano and forert」設立。写真集として『境界線13』(赤々舎、2008年)、『さすらい』(artbeat publishers、2008年)、共著として『osorezan』(artbeat publishers/piano and forest、2012年)がある。

深瀬昌久 Masahisa Fukase
1934年北海道中川郡美深町にて生まれる。日本デザインセンター、河出書房などの勤務を経て1968年、フリーランスとなる。主な写真集として、『洋子』(朝日ソノラマ、1978年)、『鴉』(蒼穹舎、1986年)など。主なグループ展として、「New Japanese Photography」展(ニューヨーク近代美術館、1974年)、「Black Sun:The Eyes of Four」展(オックスフォード近代美術館、1985年)など。主な受賞として、1976年個展「烏」で第2回伊奈信男賞、1992年第8回東川賞特別賞など。2012年、没。

湯浅学 Manabu Yuasa
1957年神奈川県横浜生まれ。著述家、音楽評論家。82年に根本敬、船橋英雄とともに「幻の名盤解放同盟」を結成。バンド「湯浅湾」のリーダーとしても活躍している。著書も多数あり。愛猫家としても知られ、自身で撮影した猫写真とエッセー4編とで綴った著書『ねこのおと』(青林工藝舎、2014年)がある。

酒航太 Kota Sake
1973年東京生まれ。1997年San Francisco Art Institute卒業。ニューヨーク、サンフランシスコ、東京などで個展、グループ展に多数参加。2009年にギャラリー スタジオ35分設立。展覧会の企画をしながら、自身の作品を発表している。現在は新しい写真表現の可能性を模索しつつ、動物を中心に撮影している。