Incunabula lisa-yamai-ryusuke-yamai

2016年5 月 13 日(金)~5月28日(土)
営業時間: 18:00~23:00 定休日:日・月・火
オープニングパーティー 5月13日(金)19:00より

今回の二人展は姉の梨沙さんと一緒に弟、隆介くんの卒業制作を武蔵野美術大学に見に行った事がきっかけとなり開催することになりました。その時、隆介くんが発表していた作品はファックスの感熱紙を故意的に印刷エラーを起こし、その原稿をもとにシルクスクリーンで製作された大型作品でした。抽象的なイメージの作品はなんとも言えない温度感がありました。それは冷たいものを触ってしまった時に「熱い」って言ってしまうような。
姉、梨沙さんは現在アウトドアブランドの洋服デザイナーとして活躍しています。アウトドアブランドと言うと自然が大好きで健康的なイメージですが、梨紗さんはちょっぴり違う感じです。もちろん自然好きで健康的なんですが、どちらかというと自然が持つ闇、ダークサイドに興味があるようです。今回の作品は革をマテリアルに選びました。何日間か部屋に籠り、自らの手で革を縫っていくと聞くとなんだか妖しい。そんな二人は過去スタジオ35分で展示した作家の中でも最年少の二人です。山井姉弟の未知なる才能を垣間見れると思います。是非、皆様お越し下さい。

<プロフィール>

山井梨沙
1987年新潟県生まれ。文化ファッション大学院大学(BFGU)修士課程 修了後、ドメスティックブランドでデザイナーアシスタントとして就業。2014年よりアウトドアブランドのディレクター兼ヘッドデザイナーとして活動。

山井隆介
1993年新潟県生まれ。現在、武蔵野美術大学造形研究科 修士課程在籍。主な個展・グループ展はまだない。複製技術を重層的に用いた平面表現を主軸に制作している。

<姉弟の対話>

2016年1月
姉: 35分で展示を一緒にやろうと考えているんだけど、どうかな?
弟: ありがたいです。がんばります。
姉: では、弟の平面作品(シルクスクリーンプリント)を姉が立体作品(ファッション)で
2D~3Dの過程を展示しましょう。
弟: 了解です。

2016年3月
姉: タイトルどうしよう。
弟: 《インキュナブラ》で考えてる。
姉: いいね。

2016年4月
姉: ところでそちらの平面作品は、何にプリントしてる?
弟: 今回は木材とか。最近北欧のメタル文化というか、自然のなかで生まれる狂気とか、
相反するものに興味があって。
姉: それ、私がブラックメタル好きなのと同じ心理、まさに(笑)
だから私も今回ヌメ革なんだわ。
同じ環境で育って、血の繫がりって、すごいわ(笑)

*Incunabula(インキュナブラ)」は、ヨハネス・グーテンベルクによって発明された活版印刷技術を使って作られた15世紀までの印刷物を意味する言葉です。また、Incunabulaという語は、元々はラテン語で「ゆりかご」を意味し、同じ出生地をもつ姉弟という関係性も表しています。