吉國元 個展 MOTO YOSHIKUNI Exhibition

2021年11月24日(水)~12月18日(土) 16:00-22:00
定休日:日・月・火

スタジオ35分
東京都中野区上高田5-47-8
※新型コロナウイルスの状況次第で日時変更もありますので、SNSまたはホームページをご確認の上でご来場ください。

 

この度、スタジオ35分では吉國元の絵画展を開催いたします。
吉國元は1986年ジンバブウェ・ハラレ生まれ。父はジンバブウェ現代史、アフリカ人都市労働史を専攻した社会学者で、母は子供二人を育てる傍らジンバブウェの普通の人々を取材して本を出版しています。
このような環境で育った吉國元は幼少期を過ごしたジンバブウェで出会った人々の肖像を経験と記憶の基に描いています。
吉國が力強く描く人々の視線はこちらに何かを問いかけているように立っているようです。この肖像画から感じ得るものは観者によってそれぞれ違うものですが、何かとても大事なことに思えてなりません。透徹とした眼差しで描かれたとても純度が高い絵です。この機会にぜひご覧ください。

 

寝床と台所を見渡す小さな部屋で、私は机に向かい絵を描いている。この部屋が私の避難場所であり、作業はそこで少しづつ進めるしかない。描いているのは生まれ育ったジンバブウェで出会った人々、日本に住むアフリカの友人たちである。

昨年、数十年振りに生まれ故郷を訪れる予定であったが、ジンバブウェも世界規模のパンデミックのために国境を封鎖し、自国民以外の入国を制限していた。私は1986年に首都のハラレで生まれたが、当時の政府は国外からの長期滞在者であった両親の子に、両親がそれを望んでいたにも関わらず、私にジンバブウェの国籍を認めなかった。そのような理由で、私は「外国人」として、ジンバブウェに入国する事が適わなかった。

群像と共に植物を描いているのは、それが境界を超えて繁茂するからである。さらに、植物は地中深くに根を下し、生き延びるために種子を遠くへ飛ばし、太陽と水を渇望する。ジャカランダ、ハイビスカスやブーゲンビリアは、大陸を超えてアフリカと日本で見ることが出来る植物だ。一方、パンデミックが世界に広がったのと並行して、黒い背景の絵も増えていった。植物が連続する生のざわめきであるならば、黒い空間は何を意味するのだろうか。

スタジオ35分にて開催する個展では、これらの黒い絵を中心に2018年〜2021年に制作をした色鉛筆による組作品『来者たち』(英題:Arrival)を再構成して紹介をする。
タイトル「SEE ME WHEN YOU CAN」は闇の奥に目を凝らすことであり、再会・再訪の願いでもある。

吉國元 Moto Yoshikuni

美術家。1986年ジンバブウェ・ハラレ生まれ。
1996年、日本に移住。2015年、多摩美術大学造形表現学部造形学科油画科卒業。
2020年、在日アフリカ人を取材する『MOTOマガジン』を出版。
VOCA展2021選出。
「他者との邂逅」をテーマに、幼少期を過ごしたジンバブウェで出会った人々と「出会い直す」試みとして絵画を制作する。

個展
2020 「来者たち」Cafe & Space NANAWATA、埼玉
2018 「アフリカ都市経験:1981年植民地以降のジンバブウェ・ハラレの物語」OGUMAG ギャラリー、東京

https://www.motoyoshikuni.com