坂東 正沙子写真展「Accelerator」
2020年9月16日(水)~10月3日(土)17:00~22:00
定休日:日・月・火
スタジオ35分
東京都中野区上高田5-47-8
この度、スタジオ35分では大阪の豊中市にある自主運営ギャラリー「gallery176」との交流展として、gallery176のメンバーである坂東正沙子の写真展を行います。
僕がはじめて見た坂東の写真は「Invisible mass」という作品で、印画紙の現像だけで作られた美しい抽象作品だった。 坂東は好奇心の赴くまま、一つの技法やジャンルにとらわれることなく、様々な手法、視点を使い、自由に作品制作を行っている。 それはトランスジェンダーである彼女の生き方にも通じており、社会の常識や秩序に葛藤しながらも、自身の信念やあり方に対して忠実でいようとする姿勢にも窺えます。 今回の展示は坂東の過去の作品群を二人で相談しながら再編集し、彼女の世界観をよりはっきりと理解出来るように構築しようと努めました
《ステートメント》
社会は人が創り出した秩序で言葉と認識によるカテゴライズで成り立たせている。
少しずつ改良を重ね細部まで目を配らせているが完璧ではない。
所々不正確で曖昧であり、ノイズのように矛盾が生じることも多い。
対処できないからそれらは認められないし受け入れられない。
秩序を乱すものは否定され、排除される対象となるのである。
しかしそもそもの自然は枠もなければ釘もない自由な世界だ。
全てが有である。
否定も肯定もない。
自然の世界では矛盾は矛盾としてではなく、ただ目の前のそれである。
定義や名前がないというのは人間にとって不快だ。
不気味に感じるかもしれない。
しかし私たちに理解があればそれらは取り除ける。
受け入れようとする強さを持てばそれは可能である。
白と黒に分ける必要はなく、グレーはグレーとして存在しているということを認められないのだろうか。
私は目の前のそれを、ありのままの景色を撮りたいと思う。
具象であろうと抽象であろうと関係ない。
そうして見えたもの、見ようとしたもの、見えないものを視覚化したい。
世界を知りたいという好奇心が私を動かしている。
そして写真が、その行動を加速させてくれている。
坂東 正沙子
略歴
大阪府在住
個展
2008年「sublimate」 galleria-punto (岡山)
2019年 「月讀」 gallery176 (大阪)
「異種交配」 gallery176 (大阪)
グループ展
2009年 「同時代展」 同時代ギャラリー (京都)
2019年 「YOSHITOMI PHOTO FESTIVAL」 吉富ノ庄 (京都)
「1839 當代藝廊×gallery 176 交流展」1839 當代藝廊 (台北)
出版
2019年 NEW JAPAN PHOTO 9 (EINSTEIN STUDIO)
web サイト
http://masakobando.com/ Instagram:@henteko_masako