2022年11月18日(金)〜12月17日(土) 16:00~22:00
11月19日(土)と12月17日(土)のみ13:00より開廊
定休日:日・月・火
スタジオ35分
東京都中野区上高田5-47-8
*新型コロナの感染状況により営業日・時間の変更もありえますので、SNS等確認してからご来場ください。ご来店の際は、マスクの着用と手指の消毒にご協力ください。
阿部海太は画家・絵本作家として活動しています。
近年、阿部は子供を授かり拠点を岐阜県の山あいに移しました。本展示は、新しい日常の下で製作された油彩画の展示となります。是非ご高覧ください。
洞より来たる仔 (ほらよりきたるこ)
ぽこぽこと
木の股から 岩の隙間から
生まれたかのように溢れ出る清水
でもそれは
地の下をとうとうと伝った
永い時の果てのできごとで
母の躰から滑り出た
緑色の目をした赤子
頰を初めての風が撫でる
でもそれは
もっともっと小さなあなたが
赤い薄暗がりを
魚のように漂い泳いだ
それからのできごとで
始まりの点をどこに打てよう
生まれ来たることと
その曖昧さを包む
暗がりのこと
夜と朝の間
まるで点などありはしないかのように
ただ絵の具を伸ばしていく
阿部 海太
画家・絵本作家。1986年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学デザイン科卒業後、ドイツ、メキシコに渡る。2011年に帰国後、神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。書籍の装画なども手掛ける。絵本に『みち』(リトルモア)、『みずのこどもたち』(佼成出版社)、『めざめる』(あかね書房)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)、『えほん遠野物語 しびと』(汐文社)、『ほっきょくでうしをうつ』(岩崎書店)などがある。2020年刊行の『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞。
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